2010年、iPhone 4 が発売されました。それを手にした視覚に障害がある若者は、画面の色を反転させたりwebサイトを拡大して読んだりして、今までの携帯電話では不可能だった自分の目の状態に合わせた設定ができることを心の底から喜びました。
しかし、病気の進行により彼の視力は長くは続きませんでした。
iPhoneのディスプレイがどんなに大きくなっても、画面を拡大表示させても、今までのように目で見て操作することがとても難しくなってしまいました。
そんな中、彼はあるひとつの記事と出会うことになります。
それは、全盲のミュージシャン、スティービーワンダーがiPhoneを使ってテキストをやりとりしているというものです。
目が見えないのにどうしてそんなことができるのだろう?と不思議に思った彼は、すぐにiPhoneの設定アプリを開き、そして見つけました。
それがVoiceOverです。
iPhoneのディスプレイに表示されているものを声で伝えてくれるだけでなく、アプリを開くだけでなくテキスト入力もできる、視覚に障害がある人向けの特別なアクセシビリティ機能でした。
再び彼は、心の底から湧き上がってくる感情に気づくことになります。
毎日iPhoneに触り、わからない時はAppleストアに足を運び、操作方法を学んでいきました。
しかし、そこに大きな壁が立ちはだかります。
文字入力です。
何度やってもうまくいきません。
Appleのスペシャリストに相談しても解決できないとても大きな問題に頭を悩ませ、そしてこう思うようになります。
「VoiceOverもiPhoneもあきらめなければならないのか」と。
しかし、彼はめげずに設定項目をひとつずつ見直し、あるひとつの項目に注目します。
キーボードの設定にあるフリックのみです。
このフリックのみがオンになっていたがために、VoiceOverでの文字入力がうまくできなかったのです。
このとき彼は思いました。
もしかしたら同じようなことで頭を悩ませている仲間がいるかもしれない。
そう思った彼はひとつのコミュニティを作ります。
それがVoiceOverコミュニティです。
管理者 あいざわ ひろたか
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