iOS 18 アップデートと不具合の情報
日本時間2024年9月17日に iOS 18 がリリースされます。
アップデートの対象は、iPhone XS、iPhone XR、それから11、12、13、14、15、16の各シリーズ、それから、iPhone SE2と SE3です。
スマートアクセシビリティでは、ベータ版のテストを通じて、VoiceOverを使いやすくするアイディアの提供と不具合の報告をしてきました。
このページでは、主にVoiceOverに関する機能と一般的なアップデート情報、それから不具合の情報をまとめています。
情報は2024年9月16日時点のものです。
また、すべての端末で調べたものではないことをご理解ください。
一般的なアップデート情報は、Appleのウェブサイトにも公開されています。
Apple公式ホームページ
iOSをアップデートする前に、合わせて確認することをお勧めします。
注目のトピック
まず、点字入力です。
iPhoneの画面で、日本語の6点同時入力と漢字変換ができるようになります。
これに合わせて、VoiceOverの新しいジェスチャーも追加されています。
詳しくは、iPhoneの設定アプリからVoiceOver設定を開き、VoiceOverの新機能…ボタンを押して確認してみてください。
次に、話題のAI機能「アップルインテリジェンス」です。
残念ながら、アップルインテリジェンスは、まだ日本では使えません。
日本で使えるのは来年とアナウンスされています。
また、対応機種は、iPhone 16シリーズと、iPhone 15 Proシリーズです。
使えるようになるまで、しばらく待ちましょう。
最後に、LINEの不具合です。
iOS18にアップデートすると、LINEアプリで不具合が発生します。
具体的には、トークルームで左右スワイプを繰り返した際、VoiceOverカーソルが次や前の項目を選べず、離れたトークにジャンプしてしまう問題が発生しています。
トークの送受信や通話は使えますが、トークの確認が非常に難しくなります。
LINEのバージョンは、14.14.0で検証しています。
LINEアプリのアップデートを待ちましょう。
主なアップデート情報
VoiceOverユーザに関係の深い機能や変更点を紹介します。
ロック画面のカメラボタンとLEDフラッシュボタンを変えられるようになった
Face IDタイプのiPhoneのロック画面にあるカメラとフラッシュのボタンをそれぞれ別のものに変えられるようになった。
これらのボタンは削除して、表示しないようにもできる。
カスタムは、ロック画面か通知センターの時計をトリプルタップして、壁紙のカスタマイズからおこなう。
ホーム画面のアプリアイコンを自由に配置できるようになった
たとえば、ホーム画面の右下の方にアプリを一つだけ配置したページを作ることができるようになった。
ホーム画面を編集モードにしてから、アプリアイコンをダブルタップホールド。
そのままドラッグしていき、配置したいところで指を離すと、アイコンがそこへ移動する。
ドラッグ中は、VoiceOverがホーム画面の「列と行」の番号を読み上げるので、配置の参考にすると良い。
アプリにロックをかけられるようになった
アプリにロックをかけると、開くときにFace ID認証が必要になる。
アプリにロックをかけるには、
ホーム画面のアプリを長押しし、コンテクストメニューから「Face IDを必要にする」をダブルタップ。
元に戻すには、ホーム画面のアプリを長押しし、コンテクストメニューから「Face IDを必要にしない」をダブルタップ。
ホーム画面のアプリアイコンをウィジェットに変更できるようになった
ホーム画面のアプリアイコンをウィジェットにするには、
ホーム画面のアプリアイコンをトリプルタップ。
コンテクストメニューにある「widget.small」、「widget.medium」、「widget.large」から選んでダブルタップ。
元のアプリアイコンに戻すには、
ホーム画面のウィジェットをトリプルタップ。
「app.grid.2x2.topbackward.filled」を選んでダブルタップ。
コントロールセンターが進化
コントロールセンターに追加できるボタンが増え、さらにボタン配置を変えられるようになった。
また、ページが追加され、カテゴリーごとにボタンを表示できるようになった。
カスタムは、コントロールセンターにある「コントロールを追加」からおこなう。
「Apple ID」から「Appleアカウント」に名前が変わった
名前が変わっただけでサービスなどに変更はない。
設定アプリでは、Appleアカウントになっているが、ウェブサイトはApple IDと記載されているところもある。
設定アプリ内の項目の並び順が変わった
たとえば、「バッテリー」が「一般」の前に移動し、各アプリの設定は「アプリ」にまとめられた。
VoiceOverオンで振動するようになった
iPhoneのサイドボタン、またはホームボタンを3連続で押してVoiceOverをオンにした時、iPhone本体が振動するようになった。
振動は、設定でオフにできる。
VoiceOver設定のオーディオから、「VoiceOverのサウンドと触覚」を開き、
「VoiceOver起動」を選んで切り替える。
VoiceOverチュートリアルで操作練習ができるようになった
設定アプリ、アクセシビリティ、VoiceOverに、VoiceOverチュートリアルが追加された。
チュートリアルでは、VoiceOverの基本的な操作方法が練習できる。
VoiceOverの日本語音声が増えた
Eddy、Flo、Grandma、Grandpa、Reed、Rocko、Sandy、Shelley、Hattori、O-ren、が使えるようになった。
すべての日本語音声で、声のトーンが調整できるようになった
個別に、ピッチ、音量、声の高低 、文と文の間の休止 、Equalizerが調整できるようになった。
これにより、VoiceOver設定の読み上げから声をカスタムするページのレイアウトが変更になった。
新しいタッチジェスチャ
新たに、3つのVoiceOverジェスチャーが使えるようになった。
1. 両端を指2本でシングルタップ。
デフォルトでは、コマンドが割り当てられていない。
2. 両端を指2本でダブルタップ。
割り当てられているコマンドは、「点字画面入力」
3. 両端を指2本でトリプルタップ。
割り当てられているコマンドは、「点字画面入力コマンドモード」
両端のタッチは、画面の上下の端をタップする。
それぞれ、設定アプリのVoiceOver設定からコマンド、それからタッチジェスチャを開いてカスタムできる。
VoiceOver新機能「ライブ認識」
VoiceOver認識に「ライブ認識」が追加された。
デバイス上の人工知能機能を使用して、iPhoneで周囲のシーンやテキストを検出できる。
“指差し読み上げ”を使うことにより、差している指の近くのテキストも検出できる。
ライブ認識を使うには、4本指トリプルタップ、またはローターからメニューを開いてスイッチを切り替える。
VoiceOver新機能「ライブリージョン」
表示中のウェブサイトで、ライブリージョンの通知をコントロールできるようになった。
VoiceOverカーソルの場所に関わらず、一定間隔で更新される内容を読み上げることに対処できる。
切り替えは、クイック設定またはローターからおこなう。
オーディオダッキングが2つのモードになった
オーディオダッキングモード、読み上げ時は、VoiceOverが読み上げたりサウンドが鳴ったときに、VoiceOver以外の音量が一時的に小さくなる。
オーディオダッキングモード、常には、VoiceOver操作に関わらず、VoiceOver以外の音量が常に小さくなる。
また、オーディオダッキング設定中は、VoiceOverの声の音量が最大199パーセントになる。
VoiceOver新機能「選択するまでの時間」
画面に触れてから、VoiceOverカーソルが項目を選択するまでの時間を変更できるようになった。
ミスタッチによるカーソル移動に対処できる可能性がある。
設定は、VoiceOver設定の「選択するまでの時間」からおこなう。
VoiceOver設定の「言語」が「声」に変わった
VoiceOverの声を切り替える時、クイック設定やローターから「言語」を開いていたが、
iOS18ではその項目名が「声」に変わった。
「声」を切り替えるには、あらかじめVoiceOver設定の「読み上げ」から声を追加しておく必要がある。
工場出荷状態から初期設定する時、iPhoneのテキストとアイコンの表示サイズを選べるようになった
工場出荷状態からセットアップしていく時、アクセシビリティオプションで、テキストとアイコンの表示サイズを「デフォルト」、「中」、「大」から選べるようになった。
主な不具合情報
VoiceOverに関連した不具合は次のとおりです。
iOS 17 から引き続き発生しているものも紹介しています。
また、あまりにも細かい不具合などは省略しています。
ここに挙げている以外の不具合が発生している可能性があることもご理解ください。
ライブ認識の「シーン」が使えない可能性
「ライブ認識」で「シーン」をオンにしてから、iPhoneのカメラをあらゆるものに向けてみても、VoiceOverからの説明がない。
Siriのウェブ検索結果画面で、「Googleで検索ボタン」を読み上げない問題
Siriに話しかけてウェブ検索すると、画面には3つの検索結果と、「Googleで検索」というボタンが表示される。
この「Googleで検索ボタン」にフォーカスしても何も読み上げない。
ダブルタップして押すことはできる。
「今日パネル」に表示されていないDockに、VoiceOverカーソルがフォーカスしてしまう問題。
ホーム画面から「今日パネル」を表示し、右スワイプを繰り返していくと、画面には表示されていないDockにフォーカスしてしまう。
VoiceOverが1文字読み上げるとき、読み上げ速度の設定値を無視する問題。
VoiceOverカーソルがフォーカスした場所に1文字しかない場合、読み上げ速度がデフォルトの50パーセントになる。
たとえば、VoiceOverの読み上げ速度を70パーセントにしているiPhoneで、文字入力キーボードの文字キーにカーソルを移動すると、速度が50パーセントになる。
2文字以上表示されている場所にカーソルを移動すると、速度は70パーセントに戻る。
VoiceOverの声をSiriにすると、「やゆよ」などの小さい文字に対して、「小さい」という文字の説明を読み上げない問題
文字入力やローターの文字で1文字ずつ読み上げる時、VoiceOverの声でSiriを使っていると「小さい文字」に対して「小さい」という説明を読み上げない。
KyokoやO-ren は「小さい」という説明を読み上げる。
VoiceOver設定の「詳細度」、「システム通知」から、ロック時の通知を「何もしない」に設定しても、ロック画面の通知を読み上げることがある問題。
システム通知の設定に関わらず、VoiceOverはロック画面通知を読み上げてしまう。
消音モードによる通知の読み上げの切り替えは正常に動作する。
通知を読み上げないようにするには、iPhoneの画面を机に伏せておくか、消音モードにして対処する。
VoiceOver設定の「詳細度」、「システム通知」から、各項目を選んでダブルタップを繰り返すと、選択中のチェックマークが外れる問題
たとえば、システム通知の「ロック時の通知見出し」にある「読み上げる」を選んでダブルタップする。
何度かダブルタップを繰り返すと選択中のチェックマークが外れてしまう。
「ロック時の通知見出し」のすべての項目にチェックマークがないようにできてしまう。
設定アプリで前のページに戻った時、カーソルが最初の項目に移動する問題。
iOS 17 では、設定アプリで前のページに戻った時、それを開いた項目にカーソルが戻った。
iOS 18 では、前のページに戻るたびに、カーソルが最初の項目に移動する。
iPadに接続した外部キーボードでキーボードを切り替える際、VoiceOverの音声フィードバックがない問題。
たとえば、日本語かなキーボードからEnglish Japanキーボードに切り替えても、VoiceOverによる説明がないので切り替わったことがわからない。
ヘルスケアアプリのデータ追加編集で、カレンダーの日付を変更するためにVoiceOverのオフとオンを切り替えなければならない問題
ヘルスケアアプリで、あとからデータを追加するとき、日付をダブルタップしてカレンダーを表示してもカーソルがフォーカスしない。
カレンダーで日付を選択するには、
まず、一旦VoiceOverをオフにする。
それから、VoiceOverをオンに戻す。
これで、画面に表示されたカレンダーから日付を選んで変更できるようになる。
ミュージックアプリのロスレス再生で、曲間にわずかな無音が挿入される問題
設定アプリで、アプリ、それからミュージックを開き、「オーディオの品質」でロスレスを「オン」にする。
さらに、「モバイル通信ストリーミング」や「Wi-Fiストリーミング」を「ロスレス」にする。
それから、ミュージックアプリを開き、Apple Musicで配信されているロスレスのアルバムなどを連続で再生していくと、曲が切り替わる時にノイズが発生する。
この問題は、VoiceOverがオンの端末でのみ発生する。